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「痴漢」に関するお役立ち情報

痴漢事件と弁護士による刑事弁護

  • 文責:所長 弁護士 田頭博文
  • 最終更新日:2025年1月10日

「高校教諭が電車で痴漢、書類送検される」「自衛隊の男性が路上で痴漢、現行犯逮捕される」など痴漢に関するニュースは後を絶ちません。

ではこのような罪を犯してしまった場合、少しでもその罪を軽くするために、どのような活動を行うべきなのでしょうか。

また、弁護士を付けるとどのようなメリットがあるのでしょうか。

1 痴漢を規定する法律

まずは、痴漢を規定する法律を見ていきましょう。

痴漢において適用される法律は、基本的に各都道府県が制定している迷惑防止条例違反と、刑法の不同意わいせつ罪(旧:強制わいせつ罪)の2つです。

⑴ 迷惑防止条例

「条例」というとおり、これは各都道府県が制定している規定ですので、都道府県によってその文言や刑罰などは微妙に異なってきます。

ここでは東京都の迷惑防止条例を紹介します。

東京都の迷惑防止条例は、正式には「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」と言います。

このなかでは、「衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること」を痴漢として処罰の対象としており、その法定刑は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(常習の場合には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)と規定しています。

(なお、2025年6月1日からは懲役と禁固が一本化され拘禁刑となります。)

⑵ 不同意わいせつ罪

わいせつ行為を行うための「暴行」や「脅迫」をした場合の他、相手方の同意がない一定のわいせつな行為を行うと、不同意わいせつ罪として処罰の対象となり、「6月以上10年以下の懲役に処する」と規定されています。

不同意わいせつ罪には罰金罪は規定されておらず、懲役刑も迷惑防止条例よりも重く定められていることがわかるかと思います。

⑶ 両罪の違い

実務上は、過去の裁判例なども踏まえ、「下着の中に手を入れたかどうか」でどちらの罪に該当するかが分かれる、と理解されています。

下着の中に手を入れた場合には不同意わいせつ罪、それ以外が迷惑防止条例違反となります。

2 弁護活動

では、痴漢の罪で捜査を受ける立場になってしまった被疑者に対し、弁護士(刑事手続きにおいては「刑事弁護人」と言います)はどのような活動を行うのでしょうか。

⑴ 示談活動

その答えは、被害者との示談活動にほぼ尽きるといっても過言ではありません。

現在、痴漢を含めた性犯罪については、検察官の処分は厳罰化の兆候があります。

その中でも、検察官や裁判官が被疑者の処分・量刑を決めるうえで最も重視している点は、やはり被害者との示談の状況です。

被害者がその被害回復の一環として慰謝料を受け取っていたり、さらに進んで被疑者のことを許していれば、やはり被疑者の処分・量刑は軽くなります。

とはいえ、被害者から見れば、たとえ被疑者の側に示談の意思があり、被害者自身としてもそれを受ける意思があったとしても、直接被疑者に連絡先を教えたりすることは、まず間違いなく拒否するでしょう。

そこで、いわば第三者的であり、被疑者に対してでも守秘義務を負っている弁護士という立場が間に入り、示談交渉を行うということが重要になります。

法律事務所にご依頼に来る相談者の中には、「示談したいのであれば早急に弁護士を付けてくださいと、警察官や検察官から言われてきました」という方も多々いらっしゃいます。

また、痴漢の被害者は、精神的なダメージを負ってしまっている方や、大きな怒りを抱えている方が多く、その示談活動は慎重かつ繊細に行わなければなりません。

被害者が未成年の場合、その親御さんと示談交渉をすることになるのですが、やはりこのような場合には大きな怒りを抱えて示談交渉の場にいらっしゃることは多いです。

そのような中でもきちんと被害者の方とコミュニケーションをとり、示談の話を進める為には経験と人間力が必要であり、適切な弁護士を選ぶことがどれほど大事かということが分かるかと思います。

実際に、何度も電話をしたり直接お会いしたりすることで誠意を示し、最終的には示談に応じてもらうことが出来たケースもあります。

⑵ その他

その他の弁護活動としては、たとえば被疑者の親族などから適切な監督があることを検察官や裁判官にアピールをしたり、常習性のある被疑者には、性犯罪の専門のメンタルクリニックなどでのカウンセリングを受けたりしてもらうなど、再犯可能性を少しでも下げる活動を行います。

3 痴漢事件の弁護は当法人へ

検察官が出す処分としては、不起訴・略式罰金・公判請求の3つがあります。

不起訴というのは今回に限りお咎めなしとすること、略式罰金とは正式な裁判はしないが罰金は支払って終了という手続き、公判請求というのは刑事ドラマなどでも見るような裁判を受けることになるというものです。

不起訴以外は前科が残ってしまいますので、不起訴の可能性を少しでも高くするために、少しでも早く弁護士を入れることが重要になることは言うまでもないでしょう。

ただし、示談ができれば必ず不起訴になるというわけではありません。

犯罪の手口や前科などから異なってくることには注意が必要です。

痴漢事件の被疑者となってしまった方は、お早めに当法人にご相談・ご依頼ください。

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